巻き爪矯正は「しない」選択。重度の巻き爪・肥厚爪を自力で改善に導く方法
先日担当させていただいた、訪問フットケアの症例報告です。巻き込みと剥離が著しい重度の爪でしたが、当サロンではあえて巻き爪矯正を行わず、「爪の自律的な改善」を促すケアを選択しました。
一見すると遠回りに見えるこのアプローチが、なぜ根本的な解決に繋がるのかを解説します。

1. 症例報告:矯正をしなくても巻き込みが半減した理由
今回ケアをさせていただいた入居者様は、爪が筒状に強く巻き込み(100度)、広範囲で爪甲が剥離している状態でした。しかし、この状態に対し、私たちは以下の判断を行いました。
なぜ、あえて矯正具を使わなかったのか?
- 痛み・炎症がなかったため 痛みや皮膚の食い込みなどの緊急性の高いトラブルがなかったため、脆弱な爪に強い矯正力をかけるリスクを回避しました。
- 爪が非常に柔らかい状態だったため 長期的な圧迫により爪が弱く、柔らかくなっている状態でした。このような爪に矯正力をかけると、爪を傷める原因になりかねません。まずは爪本来の「健康な土台」を回復することを優先しました。
驚くべき結果:「角質除去」による自律的な改善
この症例で最も重要だったのは、爪下の角質除去です。
爪下の硬い角質と剥離した部分を丁寧に除去しただけで、なんと巻き込みの角度が100度から50度まで大幅に改善しました。
これは、爪下の硬い角質の塊が、爪を内側に押し込む「テコ」として機能していたことを示しています。角質という物理的な圧迫を取り除いたことで、爪が本来の平らな形に戻ろうとする力が適切に働き始めたのです。
2. 再発を防ぐための「匠の仕上げ」と今後のケアプラン
巻き爪のケアは、目の前のトラブルを解決するだけでなく、再発を防ぎ、お客様の生活の質(QOL)を高めることを目的としています。
再発予防のための「爪先の残し方」
今回の仕上げでは、爪先を数ミリ残して整えています。
これは、深爪による巻き爪の再発を防ぐための必須の技術です。爪を切りすぎると、歩行時に指先の皮膚(肉)が盛り上がり、次に生えてくる爪を横から圧迫してしまい、巻き爪を助長する原因となるからです。
段階的な「育爪(いくづめ)」ケアプラン
「痛みを取るだけでなく、再発しない爪に育てること」をゴールに、今後は以下の段階でケアを進めていきます。
- 初期ケア(現在): 定期的なクリーニングと保湿を中心としたメンテナンスを行います。爪下の環境を清潔に保ち、爪が健康的な強度と柔軟性を取り戻すことに集中します。
- 中期ケア(観察): 爪が先端までしっかりと伸び、硬さが回復するまで、爪の成長を観察します。
- 最終判断: 爪が安定し、巻き込みの角度が50度で停滞したことを確認してから、その時点で残っている巻き込みの程度に応じて改めて矯正をご提案します。
当サービスでは、お客様一人ひとりの爪の状態と自力での改善能力を見極め、最も負担が少なく効果的な方法を選択します。巻き爪でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
爪のトラブルにお悩みなら当院へ
巻き爪でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。お客様一人ひとりの状況に合わせて、最適な治療計画を立てさせていただきます。
出張範囲は、大阪の吹田市、豊中市、茨木市、東淀川区、箕面市、高槻市、摂津市、寝屋川市、枚方市、池田市近辺です。その他地域でお悩みの方もお気軽にお問い合わせください。

